【働きアリの法則】やる気が出る方法

やる気の起こし方
スポンサーリンク

やる気やモチベーション、自分自身や部下がそういったものが高くないとき、どういった対処が必要でしょうか?
やる気やモチベーションは待っていてもただ高くなりません。逆に対処を間違えれば低くなることも。この記事ではやる気やモチベーションを「働きアリの法則」から考え、実際のコントロール方法について記載していきます。

この記事の対象

・やる気の原理について考え方を知りたい
・やる気を発生させる方法が知りたい

働きアリの法則とは?―「2:6:2」に隠れた集団のバランス

まずは前提として「働きアリの法則」を簡単に解説します。
働きアリの法則(2:6:2の法則)」とも呼ばれ、観察や実験によってアリの集団は以下のように働き方が分かれていることからこういった名前が付きました。

・よく働くアリ:全体の2割(20%)
・普通に働くアリ:6割(60%)
・ほとんど働かないアリ:2割(20%)

この法則はよく働くアリが疲労等で動けない場合、普段はほとんど働かないアリが活動することにより、比率はほぼ一定となることも判明しています。
※北海道大学プレスリリースより
https://www.hokudai.ac.jp/news/160217_agr_pr.pdf

つまり、生物の生存戦略としては、怠けるアリ(一見するとやる気のないアリ)は、余力を残し集団が生き残るためには必要ということになります。

しかし、モチベーションが上がらない(上げれる環境にない)個人からしてみれば日々の生活に活力がない大変な状況です。これは、自分自身もしくは、環境を整えることで変化させることができます。

法則から考えるやる気の正体

そもそもやる気とは脳の「報酬系」が鍵です。やる気は、脳の「報酬系(報酬回路)」と呼ばれる神経の働きに大きく関係しています。

とくに関係が深いのは次の領域です。
側坐核(そくざかく):やる気の中心地。ここが活性化すると「やりたい!」という感情が出る。ドーパミン:脳内の神経伝達物質。達成感や期待感を感じると分泌される。
モチベーションの燃料とも言えるものです。

モチベーションのタイプ

タイプ内容
外発的動機づけ報酬・評価・義務など、外からの要因お金のために働く、褒められるために頑張る
内発的動機づけ好奇心・興味・意味・楽しさなど、内側の要因楽しくて勉強する、好きなことを極める

✅ 長期的に続くのは「内発的動機づけ」。
✅ 外発的なものは一時的には強力だが、消えやすい。

やる気は「結果」ではなく「仕組み」から生まれる

よく「やる気が出たらやる」と言われますが、実は逆です。

🔁 やる → 小さな達成感 → ドーパミン → やる気が湧く

「行動 → 報酬 → ドーパミン分泌 → 継続したくなる」
というループが形成されて、モチベーションが高まるのです。

ではなぜ働きアリと働かないアリができるのでしょうか。
諸説ありますが、一つの考え方として、集団の中での貢献、また貢献の順位という考え方があります。

例えば
あなたは1000人中10位の順位でした」という評価と、
あなたは10人中10位の順位でした」という評価では集団の中で個人が次の行動において感じるモチベーションが変わってきます。この集団と順位の関係をうまく理解すれば、より協力にモチベーションコントロールが可能になってきます。

ここで覚えておきたいのが、ランキングについて。ランキングは使い方次第で強力な“エンジン”にも“不安の種”にもなるツールです。

やる気の起こし方

ではこれらのことから改めてやる気を発生させる、コントロールすることについて考えていきましょう。個人で作業を行う場合や個人コントロールになってくると以下のポイントが必要になってきます。

やる気を出すための5つのコツ(個人)
➀とにかく「始める」
やる気は「やってから」湧いてくる。1分だけでも手をつけてみる。

②ゴールを小さくする
「全部やる」ではなく「5分だけ」「1ページだけ」など、ハードルを下げると動きやすくなる。

③やった後のご褒美を用意する
脳は報酬が見えると動きやすい。好きな飲み物や休憩など、小さなご褒美をセット。

④やる理由を思い出す
「なぜこれをやるのか」を紙に書いたり口に出すだけで、モチベーションが戻ることも。

⑤やる気の出る環境を整える
スマホを遠ざける、机を片付ける、好きな音楽をかけるなど、気分が上がる空間にする。

これが集団の中でとなると、自分のコントロールの及ばない部分も生まれるため注意が必要です。

やる気を出すための5つのコツ(集団)
➀役割をはっきりさせる
自分に「期待されていること」が見えると、人は自然と動こうとします。
例:「◯◯係」「まとめ役」「記録担当」など明確にするだけでモチベーションが上がる。

②仲間と「目標」を共有する
チームで目指すゴールがあると、「やる意味」が実感できる。
目標はできるだけ具体的&短期的なほうが効果的。

③他人の頑張りを見る・見せる
周りのやる気に引っ張られることも多い。「見られている」感覚もやる気のスイッチになる。

④小さな成功を共有する
1人がうまくいったら全体で喜ぶ。誰かの「できた!」は、チーム全体のやる気を押し上げる。

⑤安心できる雰囲気を作る
否定されたり、失敗を責められる空気では人は動きづらい。
「まずはやってみよう」「失敗してもOK」という雰囲気がモチベーションを高める土台に。

まとめ

やる気を出す、モチベーションをコントロールすることにおいて、貢献していることを認識するのは非常に有効です。

集団においては、一つの分野で貢献を競うのではなく、自分だけの分野での1位を目指すことで、モチベーションは自然と回復します。

もしあなたが管理者の立場であれば、一つで競わせるのではなく、その人独自の役割を設定してみるのは良い方法かもしれません。
もしあなた集団の中でやる気を感じれていないときは、他の人がやっていないこと(机の綺麗さNo1などでもOK)で、何か自分だけの1位を目指してみるのもありです。

アリですら貢献を感じなければ仕事をしないというのが生物の在り方です。
モチベーションと上手に付き合う方法を確立していきましょう。