七夕物語の由来やあれこれ

七夕物語の由来
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7月7日になると、笹の葉に願い事を書いた短冊を飾ってお祝いをする行事が多くみられます。皆さんも一度は書いたことがあるのではないでしょうか?

今回はそんな七夕について、物語の由来やなぜ「七夕」を「たなばた」と読むようになったかなど、気になったポイントをまとめます。

そもそもどんな物語?

七夕の物語を非常にざっくりとここに書いておきます。本当にざっくりなので細部がちょっとアレンジされているのはご了承ください。


むかしむかし、天界に織姫という神様の娘がいました。織姫は神様の言いつけを守り、毎日機織り(はたおり)をして過ごしていました。

織姫
織姫

私、織姫!
今日も機織り(はたおり)をやっているわ!

しかし織姫は仕事に熱心なあまり、恋には無関心な生活を送っていたのです。それを見た神様は、娘に誰か良い人を探そうとします。

神様
神様

娘が仕事ばかりでツライ……。
孫見るためにも良い人探すわ〜。

そして神様が見つけてきたのが彦星というこちらも仕事熱心な牛飼いの青年でした。

彦星
彦星

彦星ですー。牛が好きですー。

彦星を気に入った神様は、二人を合わせて夫婦になることをすすめました。

神様
神様

付き合ってみるとかどうじゃろか?

織姫
織姫

結婚!

彦星
彦星

しますー。

めでたく夫婦になった二人でしたが、結婚後は遊んでばかり……。機織り(はたおり)の機械にはホコリが積もり、牛は痩せ細って倒れるまでになってしまいました。

神様
神様

……あのーそろそろ働かね?

織姫
織姫

明日になったら働くわ!ww

彦星
彦星

お義父さん、
明日からでいいっすか?ww

神様がいくら注意をしても「明日から働く」と言って遊んでばかりの二人。それを見かねた神様は、とうとう二人を天の川の東と西に別れて過ごさせることにしたのです。

神様
神様

仏の顔も三度までって言葉知ってる?
ワシ仏じゃねーけどすげー気持ちわかるわ〜。

ないわ〜。君ら本当それはないわ〜。
神様キレちゃったよ。もうプッツン。

こうして織姫と彦星の二人は、神様の怒りに触れて「真面目に1年働いたら7月7日の1日だけ合わせてやる」という、ブラック企業も真っ青な雇用条件を突きつけられることになったのでした。

何事も節度を守るって大切ですね。


以上が物語の概要です。伝わっている地域によっては、多少細部に違いはあるかもしれませんが、大きな流れはこういった感じだと思います。

物語の由来は?

七夕の由来

さて、この物語(七夕伝説)の由来は、色々な説はありますがベースは「牛郎織女(ぎゅうろうしょくじょ)」という中国の物語だと言われています。

その物語では天帝(天界の神様みたいなもの)の娘である織女(はたおりを仕事とする女性)が、牽牛郎(牛飼い)に嫁いだあと機織りをやめてしまった。その結果天帝の怒りを買って1年に1度しか会えなくなった。という物語が書かれています。

確かに近いストーリーであり、ベースになったのも納得できます。

この物語が日本に伝わったあと、元々日本に古くからあった「棚機津女(たなばたつめ)」という信仰と一部の項目が混ざったのが現在の「七夕(たなばた)」の語源という説があります。

棚機津女(たなばたつめ)は、棚機(たなばた)と呼ばれる棚(横板)の付いた織機で、水神様に捧げる神聖な布を織ることなのだとか。

神様や織物といった色々な要素が近かったので、これにより元々七夕(しちせき)と呼ばれていたものが「たなばた」と呼ばれるようになったというのが、七夕語源説の中では割と有名です。
※諸説あるので確実な話ではありません!

七夕の風習の由来は?

笹の葉

七夕に短冊に願い事を書いて飾る風習はまた少し別の由来があると言われています。乞巧奠(きこうでん)と呼ばれる中国の行事です。

これは元々織姫にあやかって、裁縫の上達を祈り7月7日に針や五色の糸を供えるものだったようです。それが日本に伝わった時に短冊に願い事という形で広まったものが、現在の風習のベースとされています。(※これも諸説あり)

また、葉に溜まった水滴を集めて墨をすり、それを使って習字を行って文字の上達を祈るという風習もあります。もっと一般的なのは「短冊に朝露ですった墨で願い事を書くと叶う」と言った伝承でしょうか?

今はもうやらなくなった風習かもしれませんが(地域によっては伝わっていない風習?)、このように色々な伝承や風習が混ざり今の形になっているのは、時代の流れを感じて面白いものだと思います。

なんとも悲しい催涙雨

雨

7月7日に雨が降ると、それを「催涙雨」と呼ぶことがあります。

1年に1度しか会えない織姫と彦星が、雨が降って天の川を渡れなくなり、その際に流す涙になぞらえていると言われています。

本来旧暦ならば梅雨の時期は外れていたのでしょうが、現在の暦ではほぼ梅雨の時期の7月7日。確率的にもほとんど雨という結果になっています。

七夕にもっとも晴れる割合が高いのは那覇市の60%です。沖縄の梅雨明けの平均は、6月23日ごろなので、良く晴れるのは当然ですね。

西日本も比較的晴れていることが多いようです。広島市で46.7%、鹿児島市で43.3%ですので、半分近くは夜空を眺めて甘い会話を楽しめるようです。

やはり梅雨真っ盛りの本州各地は、かなりチャンスは少ないようです。東京は30%、京都と神戸は26.7%、大阪と仙台、新潟は23.3%ですので、確率的には4年に一度見られるかどうかです。

そして、主要な都市の中で、最も天に愛されない街があります。それは名古屋市です。晴れの確率はわずか13.3%です。

引用:まいどなニュース

ちなみに7月6日に降る雨は「洗車雨」と呼ばれることがあり、これは織姫に会うために彦星が牛車を洗っている時の水なんだとか。

ウキウキで準備していたのに雨で会えなくなった……なんてことになったら、涙が出るのも理解できてしまいます。

しかし、別の説では救いのあるものもあります。

雨が降ると「カササギ」が橋になってくれて二人を合わせてくれるという結末です。個人的にはハッピーエンドで物語は終わって欲しいので、色々な説があるなら、雨が降っても会える説を信じてみたいと思います。

最後に

以上が七夕の由来についてのまとめでした。伝承って色々と説があって面白いものですよね。

ちなみに七夕の行事食は「そうめん」だと言われています。暑い日が続くときは、お手軽なそうめんを楽しんでみてはいかがでしょうか?